2025年12月28日、北海道小樽市のスキー場で痛ましい事故が発生しました。
5歳の保育園児・後藤飛向(ひなた)ちゃんがエスカレーターに腕を巻き込まれ、救出がかなわず命を落としたのです。
当記事では、この悲劇的な事故の詳細、現場の証言、そして今後求められる安全対策について詳しく解説します。
事故の詳細と現場の証言
事故は、小樽市内のスキー場でエスカレーターに乗っていた際に発生しました。
女性の叫び声に振り返ると、男の子があおむけで倒れており、右腕は肘近くまでエスカレーターに巻き込まれていたといいます。
周囲に居合わせた奈良県の会社経営者は、飛向ちゃんの体を引っ張って助けようとしましたが、腕がきつく挟まれてびくともしなかったと証言しています。
父親とみられる男性が名前を呼び「しっかりしろ」と何度も声を掛ける中、飛向ちゃんは一時的に反応を見せる場面もありました。
しかし、約45分後に救急隊が機械を破壊して救出した際にはすでに死亡が確認されました。
また、現場ではエスカレーターの自動停止装置が作動しなかった可能性も指摘されています。
通常、自動停止装置は異物が巻き込まれた際に機械を停止させ、安全を確保する役割を持つものですが、今回はそれが作動せず、救助隊が手動で非常停止ボタンを押したと伝えられています。

エスカレーターの安全性と設置環境
エスカレーターや動く歩道(トラベルレーター)は、駅や商業施設だけでなく、遊休地とゲレンデをつなぐスキー場などにも設置されています。
今回使われた設備は降車側が歩行帯状になっているもので、段差がなく見た目は「動く歩道」に近い形式です。
屋外設置のため、雪や氷による滑りなど環境要因も安全性に影響します。
しかし、エスカレーターは本来、段差とガイドレールによって安全を確保する構造であり、屋外や傾斜がある場所で使用する場合には特別な安全設計が求められます。
今回の事故機器には手すりや安全柵の不足、非常停止装置の不作動といった問題が指摘されており、現場環境が安全性を十分に担保していたとは言い難い状況です。
事故防止のために必要な対策
こうした事故を防ぐためには、下記のような対策が求められます。
✔ 1. 自動停止装置など安全機構の定期点検
エスカレーターやトラベルレーターには、異物巻き込み感知で自動停止する装置が標準装備されています。
しかし実際に今回のような緊急時に作動しないケースも起きています。
定期点検と実地試験を義務付け、全ての安全機能が正常に働くかチェックすることが必要です。
✔ 2. 屋外・傾斜地設置の基準強化
スキー場などの特殊環境で使用される機器は、一般設置とは異なる条件下にあります。
雪や氷、気温変化が影響しやすい場所における安全設計や保守・管理基準の見直しが不可欠です。
✔ 3. 利用者への安全教育と注意喚起
特に子供連れの来場者に向けて、エスカレーター利用時の注意ポイントを掲示する、スタッフが誘導するなどの取り組みも有効です。
社会と企業が果たすべき責任
このような重大事故が起きた場合、運営者・製造者・そして監督する行政の責任は重大です。
スキー場運営者は安全設備の整備と説明責任を果たす必要がありますし、機器メーカーにも設計・保守の責任があります。
また、地方自治体や国の安全基準・監督制度が十分に機能しているかの検証も求められます。
社会全体としては、類似事故が過去にも起きていないかのデータ収集と分析を行い、より実効性の高い安全基準づくりにつなげることも重要です。
ネット上での反応と声
ネット上では、この事故を受けて、多くの人々が怒りと悲しみの声を上げています。
・「自分の子供が同じ目に遭ったらと思うと胸が締め付けられる」
・「設置環境が不十分なまま営業していたのでは?」
・「設備の安全確認を徹底してほしい」
多くの声が、安全対策の強化と再発防止への具体的な行動を求めています。

まとめ
今回の小樽スキー場でのエスカレーター事故は、単なる「不幸な出来事」ではなく、私たちが見落としがちな安全性の問題を浮き彫りにしました。
現場で何が起きたのか、なぜ安全装置が働かなかったのか、その原因究明と共有は必須です。
そして、事故を受けて私たちが出来ることは、設備の安全性を日常的に見直し、リスクを予測して改善していく社会の仕組みをつくること。
家族や子供の安全を守るためにも、今回のような悲劇を2度と繰り返さない取り組みが求められています。

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