2025年12月15日、東京都港区赤坂に位置する高級個室サウナ「サウナタイガー」で火災が発生し、夫婦2人が命を落としました。
月額最大39万円というラグジュアリーな施設の裏で露呈した、ずさんな安全管理と運営体制。
当記事では、事件の詳細、運営会社の問題点、SNSを活用したPR戦略などについて深掘りします。
赤坂サウナ火災事故の概要
火災が発生したのは2025年12月15日午後0時25分ごろ。
場所は「サウナタイガー」赤坂店の3階にある個室サウナ室でした。
死亡が確認されたのは、美容室を経営する松田政也さん(36)とネイリストの妻・陽子さん(37)。
2人は室内に閉じ込められた状態で発見され、政也さんは妻を庇うように倒れていました。
ドアの取っ手は外れており、非常ボタンは押された痕跡がありながらも、火災報知器は作動せず、外部への通知はされなかったとされています。

非常用電源切断の事実
同店オーナーの証言によれば、非常用ボタンの受信盤の電源は「2年前から切ったままだった」とのこと。
これは明らかに重大な過失であり、施設運営における安全意識の欠如が疑われます。
また、火災当時、店内には3名の従業員がいたものの、非常ベルの受信設備がある事務所には誰もいなかったことも判明しています。
求人サイトでの募集状況からも、人手不足だった可能性が高く、組織的な管理体制の甘さが浮き彫りになりました。
オーナーと経営陣の実像
サウナタイガーを運営する「SAUNA&Co」は2021年に設立され、飲食業も手がける企業です。
創業者A氏と、2024年12月に代表取締役に就任したB氏は、いずれも過去に宝石などの訪問買い取り業者C社を経営し、消費者庁から9カ月の業務停止命令を受けた経緯があります。
関係者の証言では、両者とも「普通の人柄」とされていますが、C社での強引な営業手法や今回の火災における杜撰な管理を見る限り、経営責任は免れません。
SNSを活用したサウナのPR戦略と影響
「サウナタイガー」は、オープン当初からSNSプロモーションに力を入れており、女性インフルエンサーを多数起用。
イタリア人タレントのパンツェッタ・ジローラモ氏も「監修」として名前を連ねていましたが、後に「運営には関与していない」と否定されました。
事故後は、PRに関わっていたインフルエンサーたちが投稿を削除するなど、“とばっちり”が広がっています。
美容師としても著名だった松田夫妻の人物像
亡くなった松田政也さんは、美容業界で「脱白髪染め」の先駆者として知られ、SNSでは3万人超のフォロワーを持つインフルエンサーでもありました。
サウナ愛好家としても有名で、ビジネスと健康を両立するためにサウナを欠かせない存在としていました。
政也さん夫妻は2022年に結婚し、子供も誕生したばかり。
将来を嘱望された若い家族の突然の死に、多くの人が衝撃を受けています。
業務上過失致死の可能性
警視庁は現在、施設の運営会社および関係者に対して「業務上過失致死」の疑いで捜査を進めています。
非常用設備の電源を長期間切ったままにしていたことは、重大な安全義務違反と見なされる可能性があります。
今後は、サウナ業界全体への規制強化や、消防法の見直しにも発展する可能性があります。
ネット上での反応と世間の声
ネット上では、
・「高級なのに安全が二の次なのか」
・「誰も助けに来ないなんて怖すぎる」
・「責任者は刑事罰を受けるべき」
など、怒りと不安の声が相次いでいます。
一方で、
・「亡くなったご夫妻が気の毒すぎる」
・「サウナ業界の信頼回復には時間がかかる」
といった、業界全体への影響を懸念する意見も目立ちます。

まとめ
「高級」というブランドイメージの裏で、基本的な安全管理を怠っていた「サウナタイガー」。
今回の火災事故は、ただの偶然ではなく、積み重なった怠慢の末に起きた悲劇でした。
高額な料金を取る以上、利用者の命を守る責任は運営者にあります。
今後、同様の事故を防ぐためにも、業界全体での管理体制の見直しと透明性のある情報開示が求められます。



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