2025年12月、インドネシア・バリ島の観光地で、日本人の高校生と見られる少年らが集団で万引きをする様子が映った防犯カメラの映像がSNS上で拡散され、大きな波紋を呼んでいます。
名指しされた京都の大谷中学・高校は謝罪を表明し、事件は国内外で注目を集めています。
当記事では、この問題の詳細、関係者の対応、そして社会的・教育的な課題について深掘りします。
事件の概要
2025年12月3日午前11時30分頃、インドネシアのバリ島・ウブドの「カジェン通り」にある土産物店で撮影された防犯カメラ映像がインスタグラムに投稿されました。
その動画には、カラフルなシャツを着た少年3人がTシャツや帽子、サンダルなどを物色しながら、店員の目を盗んで商品をバッグやポケットに素早く入れる様子が収められていました。
彼らは団体行動の目印とみられる黄色いリボンを胸に着け、会話の中では「背番号覚えてないん?」といった発言も確認されています。
店員が戻ると「ハウマッチ?」や「プリーズ」と声をかけて注意をそらし、最終的に値引きを受ける場面まで映っていました。
この映像がエックスに転載されると日本国内でも瞬く間に拡散され、少年たちの行動に対して批判が殺到。
「バリのお店に迷惑をかけた」「現地で厳しく対処されるべき」といった厳しい声が寄せられました。
問題の高校は京都の「大谷中学・高校」?
ネット上では、映像に映る制服や団体リボンなどから、京都市東山区にある「大谷中学・高校」の生徒であるとの指摘が相次ぎました。
これを受け、同校は2025年12月8日、「研修旅行中の本校生徒による窃盗行為について」と題した謝罪文を公式サイトに掲載しました。
声明では、「12月4日、本校の研修旅行に参加していた複数の生徒が、訪問先において窃盗行為に及んだことが確認されました」と認めた上で、「事実関係を慎重に確認し、関係機関と連携しながら対応を進めています」と説明。
さらに、「海外における邦人の信頼を損なう重大な行為」であり、「学校として生徒指導のあり方を見直す必要がある」として、再発防止に取り組む意向も示されました。
教育的観点から見た今回の問題点
今回の1件は、単なる万引き事件として片づけられる問題ではありません。
教育現場における生徒指導、特に「海外での団体行動」における倫理教育やモラルの欠如が浮き彫りとなりました。
修学旅行は異文化理解や国際感覚を育む貴重な機会である一方で、現地のルールや文化に対する配慮、そして「日本人としての行動」が問われます。
学校側には、出発前の指導の徹底、行動規範の教育、問題発生時の即時対応体制の整備が求められるでしょう。
また、SNSが絡む現代社会では、生徒の行動が瞬時に全世界へ拡散されるリスクもあります。
これに対応できるメディアリテラシーの育成も急務です。

ネット上での反応と声
ネット上では、今回の事件に対して、下記のような声が多く見られました。
・「日本人として本当に恥ずかしい」
・「現地の店に損害を与えてどう責任を取るのか」
・「学校側は生徒だけでなく、保護者への指導も必要では?」
・「きちんと現地の法律に従って処罰を受けるべき」
一方、学校名や生徒の実名、顔写真が出回る事態にもなっており、過剰な私刑や誹謗中傷の拡大に警鐘を鳴らす声も増えています。
大谷中学・高校も公式声明で「SNS上での不確実な情報や実名・顔写真の掲載は慎重に」と呼びかけました。

まとめ
バリ島での修学旅行中に起きた日本人高校生による万引き疑惑と謝罪。
この事件は、海外での日本人の行動がどれほど注目されるかを改めて示したと同時に、日本の教育現場が直面する倫理教育の課題を浮き彫りにしました。
今後、学校や教育機関だけでなく、家庭や社会全体で「グローバル時代のモラル教育」にどのように向き合うかが問われています。
大谷中学・高校の今後の対応にも注目が集まることでしょう。

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