2025年11月24日、東京都足立区の国道4号で、白色のセダンが盗難車として暴走し、歩行者ら11人が死傷するという痛ましい事故が発生しました。
歩道に突入後も減速せず車道へ戻ってトラックに衝突、6台絡む玉突き事故となりました。
職業不詳の37歳男が窃盗容疑で逮捕され、意外な供述「神奈川の山の方に行きたいと思った」という言葉も。
その背景には「精神疾患」がある可能性も指摘されており、今後の捜査・責任問題が注目されます。
当記事では、事故の詳細、被害の状況、容疑者の動機、精神疾患との関係、警察・法的対応、ネット上の反応を整理し、この事件から何を考えるべきかを深掘りします。
暴走の詳細
事件当日、盗難車とされる白色セダンが足立区役所前交差点で横断歩道を渡っていた20代女性をはね、そのまま約90 メートル先で歩道に入り約100 メートル走行、歩行者らを次々と巻き込みました。
その後車道に戻り、さらに約100 メートル暴走してトラックに追突、6台が絡む玉突き事故に至ったと捜査関係者が明らかにしています。
また、現場確認で、車がトラックに追突した路面にブレーキ痕が無かったという点から、容疑者が“減速せず突っ込んだ”可能性が高いとされています。
さらに、事件直前には容疑者が午前10時20分頃、自動車販売店で車を盗んだ疑いが持たれており、同10時半には同店従業員から110番通報、パトカーが事故直前に車を発見し追跡していたことも判明しています。
このように、盗難・追跡・歩道突入・減速なしの暴走と、複数の悪条件が重なった点が本事件の“異様さ”と言えます。
引用:読売新聞オンライン
被害者の状況と社会的影響
この事故では、歩道にいた80代男性が死亡し、20代女性が意識不明の重体となっているほか、19歳~70代までの9人が重軽傷を負いました。
交通の要所で起きた無差別とも言える暴走は、地域住民・通行人の安全を根底から揺るがすものであり、都市部の交通インフラ、歩行者保護のあり方、そして盗難車追跡中の警察対応など、多角的な社会的課題を浮き彫りにしています。
特に、歩道突入という“車両と歩行者の安全空間”の侵害が起きたことから、「歩行者として安心して道路を渡れないのではないか」という不安が住民の間に広がる可能性があります。
またメディア報道やSNSを通じて、車両盗難・暴走・追跡という“連鎖的な危険”が取り沙汰されることで、交通安全に対する意識が改めて問われることとなるでしょう。

容疑者の動機
逮捕された37歳の職業不詳の男(足立区在住)は、同24日午前10時20分頃、現場から北に約650 メートル離れた自動車販売店で車を盗んだ疑いを持たれています。
防犯カメラには、男が店舗に入って2分後に駐車場の車に乗って立ち去る様子が映っていたとのこと。
男は「車を盗んだわけではなく、試乗するために店から出た」と容疑を否認しており、また「車で神奈川県の山の方に行きたいと思っていた」とも話しているという点が報じられています。
この動機は一見すると合理性を欠くものですが、「逃走を図った」とみられていることから、摘発を免れようとする意図も窺えます。
警察側は、窃盗容疑に加え、ひき逃げ・危険運転致死傷の疑いでも捜査を進めています。
このような容疑者の言葉と行動をどう読み解くか――。
それが本事件を理解する鍵となるでしょう。
精神疾患と刑事責任能力の問題
捜査関係者によれば、容疑者には過去に精神疾患があることが確認されており、今後、刑事責任能力の有無を慎重に確認するとされています。
交通事故・暴走事件において、運転者や容疑者の精神・心理状態が争点となることは少なくありません。
特に本件では、盗難・暴走・歩道突入・減速なしと、典型的な「正常な判断とは思えない行動」の連鎖が起きています。
日本の刑法上、精神疾患がある場合に「責任能力なし」と判断されれば、刑事処罰ではなく医療処分となる可能性があります。
そのため、被害者・遺族の立場から見れば、“責任追及”と“治療・再発防止”という2重の観点から問題が提起されます。
さらに、このような重大事故において「精神疾患」を巡る報道・議論には、誤解や偏見が生まれやすいことも注意が必要です。
今後の警察の対応と法的措置
本件では、まず車両窃盗の疑いで容疑者が逮捕されましたが、今後は、ひき逃げや危険運転致死傷の疑いでも捜査が進められています。
警察・検察は、追跡中だったパトカーの関与、ブレーキ痕が無かったという現場状況、歩道突入からの一連の暴走という点をもとに、“逃走目的”あるいは“意図的な暴走”の可能性も視野に入れているようです。
裁判においては、被害者遺族による損害賠償請求や、刑事責任追及(危険運転致死傷罪など)とともに、精神疾患を巡る責任能力の有無が争点になる可能性があります。
ネット上での反応と声
ネット上では、このような重大な交通事故が発生した後に、様々な声が寄せられています。
・「また盗難車か」「歩道に突っ込むなんて許せない」などの怒りの声
・「逃走を図った」という報道に対して、「警察追跡中に何があったのか」などの疑問・批判
・精神疾患という報道に対し、「病気だから責任を問えないのか」「再発防止はどうする?」という懸念
・地元住民から「これから安心して歩けるのか」「防犯・交通対策を強化してほしい」という住民目線での要望
本件報道後には「減速せずに突っ込んだ」という点が強調されており、ネットでは“加速”“無差別”というキーワードでの論議が起きています。

まとめ
足立区の暴走事故は、盗難・追跡・歩道突入・無減速暴走という複数の危険要素が連鎖した“異例の重大交通事件”と言えます。
被害者には高齢者から若年層まで幅があり、地域住民・社会全体にとって衝撃が大きいものです。
容疑者の「神奈川の山の方に行きたい」という供述、そして精神疾患の既往という背景もあり、「動機」「責任」「再発防止」という観点が複雑に絡んでいます。
今後、警察・検察・司法の動き、そして地域社会・ネット上の反響も注視するべきなのではないでしょうか。


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